あんこちゃんは顔をあげた。
すると、へやのまんなかに、木が生えていた。
「どゆこと?」
少しの間、あんこちゃんはかたまっていた。
木は風もないのにサワサワはをゆらしている。
木のみきのまんなかあたりに、うっすらと顔が見えた。
わらいをこらえている。
ここでようやくあんこちゃんは、ぴりーこぱんが木にへんしんしたのだと気がついた。
木がゆれているのは、笑っているからだった。
あんこちゃんは大きな声で言った。
「ぴりーこぱん、みーつけた!」
「ええ~っ! どうしてすぐわかったの?」
ぴりーこぱんはしゅるしゅると小さくなって、人間のすがたにかわりながら言った。
「かんたんだよー。おうちの中に木が生えてたらおかしいもん」
あんこちゃんはとくいげに言った。
ぴりーこぱんは、ぜんぜん気づいていなかったみたいで、かんしんしたようすで言った。
「ああ~、そっか~! あんこちゃんすごいね! たんていさんみたい!」
「そんなすごいかな? えへへ」
ほめられて、あんこちゃんはちょっとうれしくなった。
「じゃあ、つぎはわたしがかくれるからね!」
すごい、ってほめられたし、かんたんに見つかるわけにはいかない。
それに、ここはあんこちゃんの家。かくれるのにちょうどいいばしょはよく知っている。
「もういいかーい」「まーだだよ」
「もういいかーい」「まーだだよ」
「もういいかーい・・・」