ふしぎなぴりーこぱん(5/7)

文と絵・エンプティ・オーブン

5 ぴりーこぱんと、外あそび

二人は外に出かけた。
「どろぼうが入るとたいへんだから、出かける時はかぎをかけないと」とお母さんが言っていたけれど、今はどろぼうもねむっているはずだから、だいじょうぶ。

家の近くの公園についた。すべり台とブランコがある、小さな公園だ。
ぴりーこぱんがきいた。
「あんこちゃん、おえかきすき?」
「うん! お絵かき大すき!」
「じゃあ、これでおえかきして、あそぼうよ」
そう言うとぴりーこぱんは、頭のまわりにはねているみつあみを一本ポキンとおって、あんこちゃんにわたしてきた。
あんこちゃんが手に取ると、みつあみはパキッとかたくなった。
先っぽの毛だけはそのままやわらかくて、ふでみたいだ。

「こうやってつかうんだよ」
ぴりーこぱんは自分もみつあみを一本もつと、空中の何もないところでそれをうごかした。
すると、何もないところに〇がうかんだ。
「おもしろーい!」

さっそくあんこちゃんも、みつあみのふでで、空中にハートの形をかいてみた。
かいたハートは、何もしなくてもピンク色にそまった。
このふでは、自分の思った色にかわってくれるらしい。とてもすてきだ。

エンプティ・オーブン について

1985年埼玉県生まれ。子供のころから本が好きで、自分でも絵本を作ったり、マンガを描いていました。二児の母になってからは、わが子に読み聞かせるための絵本を作ってきました。小学校の読み聞かせボランティアにも参加しています。娘がが小学生になるのを機に、童話を書き始めました。たくさんの人に楽しんでもらえるお話を書きたいです。