ぼくたちは、ショックで、しばらく、そこから動けなかった。
「にいちゃん・・・。サンタさん、いないの?」
つよしが、ぼくのジャンパーのそでを、キュッとにぎった。泣きそうになってる。
「そんなわけないよ。きっと、テツヤみたいな、わるい子のところには、サンタさんがこないんだ。サンタさんは、いい子にだけ、プレゼントをくれるんだから」
ぼくは、そう言って、つよしを元気づけたけど、心の中では、ぼくたちより大きい、小学3年生のテツヤが言うなら、本当なのかなって思った。
ぼくたちは、元気が出ないまま、うちにかえった。
ぼくたち エージェント!③~サンタクロースはいないのか?(1/6)
文・ひなたのんき