夕方になって、テツヤがあやまりに来た。テツヤのママに引っ張られてきたのだ。
テツヤがつよしからチョコレートを取り上げたとき、広場にはほかにもマンションの子たちがいた。
その子たちが、買い物から帰ってきたテツヤママに、言いつけたらしい。
テツヤママは、うちに来たときからおこってたけど、ぼくがケガしたことを知って、ますますおこった。
そして、テツヤを、これから1週間おやつぬきにした。
「人にやったことは、自分に返ってくるのよ! 人のおやつをとったら、自分のおやつもなくなるの! いいわね!」
オニみたいな顔でテツヤをしかりつけた後、テツヤママは、ぼくのママに白いはこを差し出した。
「これ、プリンなの。いただきもので申し訳ないんだけど、有名なお店のものらしいから、きっとおいしいと思うわ。おわびに召し上がって」
それから、しゃがみこんでぼくとつよしの手をやさしくとると、
「本当に、ごめんなさい。どうか、テツヤをゆるしてやってください」
子どものぼくたちに、頭を下げてあやまったのだ。
ぼくは、テツヤママはとっても立派なママだと思った。このママのためなら、テツヤをゆるしてやろうと思った。
夕ご飯のあと、テツヤママのくれたプリンを食べた。
今まで食べたことがないくらい、ものすごくおいしいプリンだった。
やっぱり、エージェントがかつやくした後は、ごほうびがあるものだ。
ときどきはケガしちゃうこともあるけど、これだから、やめられないよね。
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