〈ぼくは、もうだめになりそうだ〉
そう思ったとき、
「おそくなってごめん。るすばんごくろうさん」
大きな声がして、あきらさんがかえってきた!
「かさ、もっててくれてありがとう」
あきらさんは、ぼくの頭や体をもとのかたちにもどそうとしてくれた。
でも、もうゆきが少なくてうまくいかない。
「きみがとけていなくなったらさみしいな」
あきらさんは、ぼくのまえにしゃがんでつぶやいた。でも、すぐに
「そうだ! いいこと思いついた」
そういって、うちから大きなはこをもってきた。
「ここが、きみのベッドだよ」
はこの中に、ぼくの目と、口と、鼻と、手をきれいに、ならべて入れてくれた。
さいごに、きいろのぼうしをてっぺんにおいていった。
「こんどゆきがふったらまたあおうね。それまで、ゆっくりおやすみ」
ぼくは、ほっとした。
なるべく早く、またゆきがふりますように。