「ハァ・・・ハァ・・・パパは、どうしたかしら」
パパゴリラは、はしっていったきりです。
「あたしがオリに入って、にんげんあじのアイスができたら、パパ、たべにくるかしら」
レナは、オリのすきまに、手を入れました。
うでも、なんとかねじこみました。が、かたが引っかかって、それいじょう入れません。
「わっ、わっ。レナ、あぶないぞ!」
ふいに、大人の男の人のこえがしました。
「じゃましないで。パパをたすけなきゃ」
「そ、そうか。じゃあ、すぐにそこから出てくれ。そのほうが、パパはたすかるよ」
こえといっしょに、大きなあたたかい手が、かたにかかり、レナをやさしくオリから引きぬきました。
ふりむくと、そこには、しんぱいそうな、パパのかお。
「パパ? どうして、にんげんのかおなの?」
「なに言ってるんだ。パパは、レナが生まれるまえから、にんげんのかおだぞ」