イヤイヤ期に寄り添ってもらえることの愛

ソフィーのイヤイヤき

ローズマリー・ウェルズ 作
ホール 美紗衣 訳
フェーズシックス
2022年6月30日刊

◆誰もが悩まされる時期

今回ご紹介する絵本は全米でロングセラーとして半世紀に渡り愛され続けているローズマリー・ウェルズの作品です。
日本語に翻訳され、初めて日本でも読むことができるようになりました。

「イヤイヤ期」と言えば、子どもを持つ親なら誰もが悩まされる時期ですね。
この絵本に登場してくるソフィーもちょうど2歳になる誕生日の朝からご機嫌ななめ、まさにイヤイヤ期のまっただなかです。

朝起きて、ママから「ソフィーは何歳になったのかな?」と聞かれても何も答えません。
ママが持ってきた素敵なドレスも「イヤ!」と言って着ません。
パパはソフィーのためにブルーベリーパンケーキを作って、二本の蝋燭も飾ってくれました。
でも、ソフィーはそれが気に入りません。

そんな中、誕生日プレゼントを持ってきたおばあちゃんが訪ねてきます。
でもそのプレゼントの中身で遊び始めると、また気に入らないとイヤイヤが始まります。
そこで、見るに見かねたおばあちゃんはソフィーと一緒にお出かけすることにしました。
おもちゃ屋さんに寄ってみても、ソフィーのイヤイヤは止まりません。あれもこれもイヤイヤばかり。
困り果てたおばあちゃんは、思いついたあることをソフィーに提案します。
その内容とは・・・。
そのことでソフィーのイヤイヤもようやく落ち着き、最後は楽しみながら誕生日をお祝いできるというお話です。(次ページに続く)

えもり なな について

江森 奈々(えもり なな)1985年神奈川県生まれ。千葉県在住。幼少期より母から良質な絵本を与えられて育つ。幼い頃から絵を描くことが得意で、小学生の頃は漫画を描く。中学生になると美術部に所属し油絵を始める。灰谷健次郎の「兎の目」に感銘を受け、10代は日本や世界の児童文学を読みふける。現在、保育士をしながら絵本や童話、紙芝居の創作、読み聞かせを行っている。画家・イラストレーター、モデルとしても活躍中。絵本は1500冊以上読破。2023年be京都にて初のプチ個展を開催。パレットクラブスクール19期絵本コース卒業。トムズボックス2019冬季ワークショップ修了。 『絵本作家になるには、絵が描けないと無理ですか』(CATパブリッシング)の挿絵を一部担当。 著書に『おへそはなにしてる?』(クリエイターズ絵本「YOMO」) ●YouTube:【なないろ本屋/7's BOOKSHELF】 ●Instagram:【nana_museum】