フハっと、そよ風のように笑うミエンダー氏を見て、ハツさんは、ふと、たずねました。
「あなたも、ワープを使って、地球に来たの? じゃあ、どこかに、巨大な宇宙船がかくしてあるってこと?」
「いえいえ。あんなに大きな乗り物が通るのは無理です」
ミエンダー氏は、マシュマロをぱくつきながら、答えました。
「私たちのワープドアは、ほんの、ささやかなものですから。まあ、水面をくぐるようなものです。キエール星から、ちょちょいの、ちょい」
「そんなに簡単なの!?」
「はい。地球とキエール星は、うす紙1枚でへだてられているような感じです。ぼくは、こうして、ここに座っていても、キエール星のおだやかな海の音が聞こえるような気がしますよ。ただ、ワープドアは、今、メンテナンス中なので、あと、何日かは使えないんですが」
「うす紙一枚、へだてた向こう側がキエール星!?」
ハツさんは、ぞくぞくしました。
どこかに、光るトンネルでもありはしないかと、部屋の中を見回しました。
急に、キエール星が見たくて、見たくて、たまらなくなりました。
キエール星って、いったい、どんなところなのでしょう!? その海はどんな色をしているのでしょう!? 空は? 太陽は? そして、キエール人たちは、どんな暮らしをしているのでしょう!?