カラが われて すこしずつ セミは カラから でてきます。
すこしずつ すこしずつ
すこしずつ すこしずつ
「う~ん う~ん う~ん」
「セミくん、がんばれ! あとすこしだ!
あしを すべらせないようにね」
コナラの きも みまもります。
そして、ついに!!
セミは おとなに うまれかわりました。
「セミくん、やったね!
ほんとうによかった。ほんとうに・・・」
セミが うまれたときから みまもってきた コナラの きは
ははおやの ような きもちでした。
「それにしても きみは すごく きれいな いろを しているんだね」
「そうなの!? うれしいな。
コナラさん、はねが かわくまで もうすこしだけ おせわになります」
「セミくん、おつかれさま! ゆっくり ここで やすんでね」
そうして、ひとばん セミは コナラの きで やすんで
いよいよ たびだちの ときを むかえました。