ドイツのトルコ人家族のクリスマス

クリスマスシーズンに入りましたが、今回はトルコ人作家によるクリスマスにまつわる1冊の絵本を紹介しましょう。

◆私たちはムスリムだから
今回紹介する絵本は『シリンはクリスマスツリーがほしい』(1991年刊)というタイトル。著者のハビブ・ベクタスさんはトルコ出身で、私が住んでいるエアランゲン市のご当地作家。同市の文化賞の受賞経験もある人です。

トルコ人作家によるクリスマスにまつわる絵本

トルコ人作家によるクリスマスにまつわる絵本

さて、絵本の主人公はドイツに住むトルコ人夫妻の娘・シリン。彼女はクリスマスツリーがほしくてたまりません。通常、クリスマスシーズンになると町ではクリスマスツリー用の本物の木が売られます。シリンの友達の親も次々に買い、クリスマスの用意をします。

彼女はお父さんに毎日のようにねだります。「私も木がほしい」と。
ところがお父さんは「クリスマスはキリスト教のお祭り。私たちはムスリムだ。それに私たちには私たちのお祭りがある」とシリンの願いを退ける。「私たちのお祭りも、ドイツ人のお祭りもお互いにお祝いすれば?」とシリン。しかしどうしてもクリスマスツリーは買ってもらえません。

高松平藏 について

(たかまつ へいぞう) ドイツ在住ジャーナリスト。取材分野は文化・芸術、経済、スポーツ、環境問題など多岐にわたるが、いずれも住まいしているエアランゲン市および周辺地域で取材。日独の生活習慣や社会システムの比較をベースに地域社会のビジョンをさぐるような視点で執筆している。一時帰国の際には大学、自治体などを対象に講演活動を行っている。 著書に『エコライフ ドイツと日本どう違う』(化学同人/妻・アンドレアとの共著 2003年)、『ドイツの地方都市はなぜ元気なのか』(学芸出版 2008年)のほかに、市内幼稚園のダンスプロジェクトを1年にわたり撮影した写真集「AUF-TAKT IM TAKT KON-TAKT」(2010年)がある。1969年、奈良県生まれ。 HP;インターローカルジャーナル