「いやっほう、なんてすばらしいすなんだ。しかも、あっという間にできあがったな。ありがとよ。おれの名前はモックだ。おまえさんは?」
「名まえなんてないよ。でも、あったらうれしいかもね」
「ようし。おまえさんはねばりの天才だから、ビバ・ネバルはどうだ? ビバはイタリア語で『ばんざい』という意味さ。まさに今のおれの気もちだ」
「いいね! でもイタなんとか語とやらを知ってるなんて、きみはもの知りだね」
モックはふふんと鼻をならしてから、にやっとわらった。
「まあな。ものを知らないと、だれにどう利用されちまうかわからないからな。よし、ビバ・ネバル。今日からおまえさんはぼくのなかまだ。ずっとここにいてくれ。いつでもかきまぜてあげるから、すがこわれたらまたたのむよ」
「わかったよ」
ぼくはにこにこしてこたえた。