そこへアリがやってきて、
「アリが10! ビバ・ネバルくん、よかったら友だちになってほしいんだけど、それってあり?」
とぴょこんと頭をさげたので、ぼくはおかしくてしかたがなかった。
「もちろんさ。友だちになるにはまず、きみたちの名まえを聞かなくっちゃ」
みんなの名まえを教えてもらった後、ぼくは「そういえば」ときりだした。
「なぜきみたちはぼくの名まえを知っているの?」
イモムシのイムくんがにこにこしていった。
「チヨちゃんをひきあげた後、モックがね『すごいぞ、ビバ・ネバル』ってつぶやいたんだ。ぼくたちもあんまりうれしかったもんだから、後につづいてさけんだのさ。とうの本人はバツがわるそうに、そそくさといなくなっちゃったけどね」
「モックが・・・」
ぼくが考えこんでいると、森の中にさあっと光がさしこんだ。
「長い夜がおわったのよ。見て!」
ミノムシのミイノの言葉に、みんながふりかえった。
木の間にいくつもかかる細く長いぼくの糸が、朝日をあびてにじ色にかがやいていた。
ぼくのからだに糸はもうなかった。
だけど、たくさんの糸にくるまれているようなあったかい気もちだった。