そして、ピイが家に来て3日目の昼。
秋斗(あきと)が友だちとプールに行ったあとのことだった。
急いで家に帰ってピイの様子を観察していた秋斗はお母さんによばれた。
「秋斗、よく聞きなさい」
「なに」
「あ! ねえ。今日の分の宿題やった?」
「・・・まだ」
「じゃあ、言うのやめた。書き取りと計算、今日の分終わったらね」
ピンときた。ピイのことにちがいなかった。最初の山場だと思われたこの数日を乗り切ったのをみて、お母さんが「これなら」とつぶやいたのをけさ聞いていた。
「ピイのことでしょう? ねえ! いいニュース?」
「さあ、悪いニュースかもね。でも、宿題やらなきゃ教えません」
秋斗は大急ぎでその日の夏休みの課題をやりとげた。