「そういうのが野鳥には迷惑(めいわく)だったりするの。似たようことがあっても、次はしてほしくないな。前にも言ったけど、本当は死んでしまうことだって、自然なの」
でもかわいそうだ、と言いかけて秋斗は口をつぐんだ。
家で一時的にでも飼えると聞いてうれしかったのに「迷惑」や「誘拐」だなんて、ひどいケチがついたようなつまらない気持ちでモヤモヤした。
「ピイはかわいいけど、かわいがっちゃダメだよ。人間を好きになることは、小鳥を幸せにはしないの。なんでなのか、よく考えてみて」
お母さんのいうことが、秋斗はまだよくわからなかった。
(本作品は「第30回日本動物児童文学賞」優秀賞受賞作を一部平易に改稿したものです)