「おにいちゃん、たまご、ちょうらい!」
にっこりわらうスズに、ショウタはムッ。
「スズは、かなしくないの? 遊園地に、いけなくなったんだぞ」
ショウタは手をにぎって、スズの顔のまえで、ジェットコースターのマネをしました。
ところが、スズは、ほっぺたをプッ。
「スズ、のれないもん! スズ、たまごすき!」
カンッ、カンッ。
にぎったフォークで、スズが、ショウタのおさらを、たたいてきます。
「遊園地には、お馬さんも、いるんだぞ」
こんどは、ショウタが手をひろげ、チョキをつくって、さかさまにしたのです。
「あっ、おうまさん! スズ、だいすき!」
ショウタがはしらせる、テーブルのチョキを、スズはうれしそうに、ながめています。
でもすぐに、スズは、ほっぺたをプッ。
「たまご! ちょうらい、ちょうらいっ」
カンッ、カンッ。