「こまったなあ・・・」
トトは首をかしげました。
「ぼく、やっぱり、今は、小鳥でいたいんだ。
それより、アディが小鳥にならない? 神様はゆうかんな子が大好きだから、きっと、アディが気に入るよ。
ぼくが、『アディを小鳥にしてください』ってお願いすれば、神様は、きっと、アディにも、ぼくのようなつばさをくれると思うよ。
ぼくといっしょに、広い世界を旅してみない? おもしろいことがいっぱいだよ。
きっと、アディも、気に入るよ」
「ううん・・・」
今度は、アディがこまる番でした。
「それもいいわね。神様につばさをもらって、モルテンときょうそうするのもおもしろいかも。
でも、それ、もうちょっと、先にできないかな? あたし、今は、やっぱり、ペンギンでいたいから」
「そう・・・。だったら、神様に、『もう少し先に』って、たのんでおくよ。だから、ペンギンにあきたら、すぐに、ぼくに知らせてよね」
「うん、ありがとう! じゃあ、トトも小鳥にあきたら、ペンギンにしてもらって、海においでよね」
「うん、そうする!」
ふたりは、顔を見合わせて、にっこりしました。
「そうと決まったら、アディ、すぐに、北へ出発した方がいいよ。海、どんどん、こおり出しているから。ぼくが案内するよ。ついて来て!」
トトは、海に向かって、飛び立ちます。
アディは、役目を終えて光を、すっかり、失ってしまったスクアノタカラを飲みこむと、パタパタ、トトをおいかけました。