アディは、モルテンのあとについて、何度も、練習し、2つ目のじゅ文も、びみょうにちがうところまで、しっかり、覚えました。
教え終わると、モルテンは言いました。
「最後に、とても大事なことだよ。オーロラの姫たちが下りてきたら、その中のひとりをつかまえるまでは、ぜったいに、動いたり、しゃべったりしちゃいけないよ。
わなだと気づいたら、にげちゃうからね。
じゃあ、ぼくは行くよ。
さよなら、アディ、しっかりね!」
モルテンがつばさを広げると、風が、モルテンを、ふんわり、持ち上げました。
「ありがとう、モルテン。こんなに親切にしてくれて」
「いいんだよ。ぼくは風変わりな君が好きになったのさ。その代わり、ぼくが困っている時には、君が助けてくれなくちゃ!」
「もちろんよ! 約束する!」
モルテンは、少しの間、つばさでバランスをとっていましたが、やがて、南からの風に、ぱっと、連れ去られていきました。