お喋りをしている間に、トナカイがティーセットを運んできて、
お茶の時間になった。モカはお茶を飲みながら、博士をジロジロ眺めた。
「カドノ博士って、すごい博士だから、お年寄りかと思ってた」
「正解! ぼくは時間戻しの実験で若返ったんだ。その時の衝撃で、家が転んじゃったんだけどね」
「そんなことができるなら、あなた、本物ね。なら、これをーーー」
ポケットから銀ラベルのカセットテープを取り出した。
「ありがとう。探してたんだ」
「これも都市伝説に関係あるの?」
「古いテープには、ごく稀に“ふくろうボイス”が吹き込まれている」
「ふくろうボイス?」
「聴いた人が永遠に幸せになれる声さ。闇を溶かす神秘的な声」
「へぇー。これに入ってるかなぁ?」
「調べてみるよ。少し時間がかかるけど、必ず報告する」
トナカイに勧められるまま、モカは美味しいお茶を5杯飲み、甘い甘いクッキーを10枚も食べ、大満足で博士の家を後にした。
それから10日。カドノ博士から、また手紙が来た。
ふくろうボイス、発見!
おばあさんとおじいさんを誘い、
我が家に来たれ
(次のページに続く)