ふと気がつくと、池から出てきたカバ男くんが、ねそべっています。
「じゃあ、ぼくにも何か作ってよ」
ポリポリおしりをかきながら、みんなにたのみました。
「『水の中のカバ!』自分の力のはっきできるところでがんばること」
「『陸の上のカバ!』カバ君たちってああ見えて、時速40キロで走れるんだよ。だから人は見かけによらないってことで」
ウサギのピョン子やスカンクのプープーも、はずかしそうに、意見を出しました。
「ねえ、カバ男君は、どれがいいの?」
返事がないと思ったら、なんとカバ男くんは、グーグーいびきをかいています。
「ありゃまあ、カバ男君、ねちゃったよ。でも、なんだか楽しいね。こうしてぼくたちでことわざ作るの」
「ねえ、ねえ、もっと作ろうよ!」
子どもたちもいっしょにワイワイガヤガヤことわざ作りが始まりました。
「やれやれ。今日の会議はひつようなかったようじゃな。そもそも、人間がわれわれのことをどう言おうが気にすることはなかったんじゃ」
議長のヤマネコおじいは、ぼそっとつぶやくと昼ねをしに家に帰りました。
さて、ヤマネコおじいが昼ねからさめるころには、いくつの動物ことわざができているでしょうね。
動物村のことわざ会議(4/4)
文・山庭さくら 絵・にわ かずえ