「提督、これでは、もう、西へ進めません。引き返してはいかがでしょう」
提督は目をむいて、弱気になった部下たちをしかりつけます。
「ならぬ。進路を南に取れ。陸づたいに船を進めるのだ。大陸が途切れて西の海に出る航路が見つかるまでな」
「しかしながら、提督、そんなことをしたら、いつか、大地のはしっこまで行き着いてしまい、落っこちてしまうかもしれません」
水兵たちはおじけづきましたが、提督は、がんとして、聞き入れません。
船隊は大地からおっこちないよう、そろり、そろりと南へ進んで行きました。
しばらく行くと、冷たい霧が立ちこめてきました。
その中をうろうろしているうちに、船隊は氷の海に迷いこんでいました。
たちまち、1000そうの船が氷山にぶつかって、あっという間に沈んでしまいました。
500そうは、ガチガチに凍ってしまい、進むことができません。
泣く泣く、それらに別れを告げて、やっと、西の海への道を見つけた時には、マガタの船は、たった、500そうになっていました。