俺様(おれさま)は妖精ヤコブ
この村に住む大妖精(だいようせい)さ
昔この村にいた妖精はいなくなっちまったらしいが
俺様はそんなバカなマネはしないぜ
妖精のすがたはだれにも見えない
妖精の声はだれにも聞こえない
だからイタズラしてもだれにもおこられない
イタズラしほうだいさ
今日もある家にしのびこんで、おいしくチーズをいただいている
キッチンでムシャムシャしてると
ん? だれか来たようだ
俺様のすがたは見えないが
人間の目の前で食べるわけにはいかない
どこかへかくれるか
「やれやれ、人の食事をジャマしやがって」
「だれ? だれかいるの?」
女の子の声がする
「フン! 食事中に来んなよ!」
「だれかごはんを食べてるの?」
「そうだよ 食事してるのにジャマすんな」
「ごめんなさい、でもジャマはしないわ」
あれ? 俺様の声が聞こえてる?
女の子がキッチンに顔を出した