子どもに性のこと、自分の身体を守ることを伝える

うみとりくのからだのはなし

遠見才希子・作 佐々木一澄・絵
童心社 2022年3月1日刊

◆その時の状況によって

今回ご紹介する絵本は、性と身体について描かれた絵本です。
こういった内容は繊細で扱いが難しく、親として子どもにどう伝えればよいのか悩むケースも多いように見受けられます。
そんな時にわかりやすく伝えられる性教育の絵本として、子どもを持つ親御さんだけでなく、子どもの教育に携るすべての方に広くおすすめしたい絵本です。

主人公は双子のうみとりく。一見どこから見てもそっくり。でも身体のパーツをよく見てみると違いがあることに気づきます。
そして、「りくのからだはりくのもの。」「うみのからだはうみのもの。」と身体に目を向けることで自分の身体が自分のものであることを再確認します。

二人は普段「ぎゅーっ」と抱きしめ合うことが好きなのですが、時々ケンカしたり、何かをしていたりする時はぎゅーっとされたくない時も・・・。
触られたいかどうかはその時の状況によって変わることを教えてくれています。(次ページに続く)

えもり なな について

江森 奈々(えもり なな)1985年神奈川県生まれ。千葉県在住。幼少期より母から良質な絵本を与えられて育つ。幼い頃から絵を描くことが得意で、小学生の頃は漫画を描く。中学生になると美術部に所属し油絵を始める。灰谷健次郎の「兎の目」に感銘を受け、10代は日本や世界の児童文学を読みふける。現在、保育士をしながら絵本や童話、紙芝居の創作、読み聞かせを行っている。画家・イラストレーター、モデルとしても活躍中。絵本は1500冊以上読破。2023年be京都にて初のプチ個展を開催。パレットクラブスクール19期絵本コース卒業。トムズボックス2019冬季ワークショップ修了。 『絵本作家になるには、絵が描けないと無理ですか』(CATパブリッシング)の挿絵を一部担当。 ●YouTube:【なないろ本屋/7's BOOKSHELF】 ●Instagram:【nana_museum】