それを見たくまさんは、
「リスさん。歌っているばあいじゃないよ。おねがいがあるんだ。ぼくのはなのへやに行ってもらえるかな。それと、まるめたティッシュで、ぼくのはなを こちょこちょしてほしいんだ」
くまさんはリスさんにおねがいをしました。
リスは歌うのをやめ
「わかったわ。やってみる」
そう言って、はなのへやの前に 行きました。
「ニョンブランブラン、ツンツクリン」
リスさんがとなえると、はなのへやが、ゴーッギシギシとあきました。
そして、おてつだいのリスが、テイッシユをまるめました。それから、くまさんのはなを こちょこちょと、くすぐりました。
すると、くすぐったいのをがまんしていた くまさんの目から、こらえていたなみだがあふれるように出てきました。
テレビやおふろが、きえていきます。
くまさんの手が じゆうに動かせるようになりました。
すばやく、おてつだいのリスを 手にのせました。
あとひとつ、ちゅういがきに書かれていたことを思い出したのです。
くしゃみをする前には、おまじないをとなえるようになっていました。
だから、きっとくしゃみをしたら、何かがおこるはずだ。
くまさんは、くしゃみを ずっとがまんしていたので
「ハハ ハクション」
と大きなくしゃみをしました。
すると、こわいまじょとまごのリリーが、空高くとんで行ったのです。