幼年童話の書き方~第1部「基本のキ」その5

大阪弁を使うときに注意すべきこと

台詞つながりで方言の話を二つ。台詞に大阪弁を使おうと思ったことはありませんか? 大阪弁が入っているとなんとなく楽しい雰囲気が出そうな気がしますよね。これは大阪弁が楽しいんじゃなく大阪弁をしゃべる大阪人が楽しいってことなので、だいじなのは大阪人です。

台詞を大阪弁にすれば大阪人になるかというとけっしてそんなことはなく、大阪人を描くから必然的に大阪弁になるのです。大阪弁を使いたかったら、まずは大阪人をていねいに描くこと。関西人じゃない人たちはこのことを覚えておきましょう。

もう一つはわたしが住んでいる愛知県の話。方言と言っていいのかわかりませんが、愛知県の学校では授業と授業の間の休み時間のことを「放課」と言います。これは子どもたちだけでなく教員も使っていて、教室に掲示してある日課表にも書いてあります。

「放課」は学校で一日の授業が終わることなので、一般的には「放課後」という使い方が多いと思います。わたしは全国どこでも「休み時間=放課」と思い込んでいたので、合評会で指摘されるまでずっと「放課」を使っていました。あなたも地元でしか通用しないことばを作品に使っているかもしれませんよ。

野村一秋先生のインタビュー記事もぜひご一読を!
『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(1/3)
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『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(2/3)
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『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(3/3)
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野村一秋 について

(のむら かずあき):1954年、愛知県に生まれる。教員として小学校に勤務した経験のもと、子どもの目線に立った作品を生み出している。日本児童文芸家協会会員。日本児童文学者協会会員。日本文藝家協会会員。主な作品に『天小森教授、宿題ひきうけます』(小峰書店)、『しょうぶだ しょうぶ!』(文研出版)、『ミルクが、にゅういんしたって?!』『4年2組がやってきた』(共にくもん出版)などがある。