幼年童話の書き方~第1部「基本のキ」その7

その7「語りの人称と視点」(後)

今回は、それぞれの語りのスタイルについて特徴や使い方を説明しましょう。

1.一人称一元視点
主人公が語り手なので、地の文は主人公のしゃべりことばになります。ということは、主人公のキャラクターに合わせて個性的な語りにすることもできるってわけです。

また、主人公自身が語るのですから、読者には主人公の気持ちがじかに伝わってきます。こういうのが一人称の語りの良さです。
主人公に共感しながら読んだり、気持ちの変化を楽しんだりするお話に向いているスタイルです。

2.三人称一元視点
三人称の語りですが、一元視点なので一人称の語りと同じような制約があります。では、一人称一元視点とどう違うのか。
第三者が語り手なので主人公との間に距離があります。その距離感がそのまま語りに出るという感じでしょうか。

語り手は主人公に寄り添いながら語っていくだけでなく、少し距離を置いて主人公や状況などを語ることもできます。これは、一人称の語りではできないことです。


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野村一秋 について

(のむら かずあき):1954年、愛知県に生まれる。教員として小学校に勤務した経験のもと、子どもの目線に立った作品を生み出している。日本児童文芸家協会会員。日本児童文学者協会会員。日本文藝家協会会員。主な作品に『天小森教授、宿題ひきうけます』(小峰書店)、『しょうぶだ しょうぶ!』(文研出版)、『ミルクが、にゅういんしたって?!』『4年2組がやってきた』(共にくもん出版)などがある。