抜群の着想力
その5「会話文の活用」のところで書いたように、セリフを大阪弁にするだけで大阪人になるかというとそんなことはなく、大阪人を描くから必然的に大阪弁になるわけで。けんいちもおとうちゃんもおかあちゃんも、そして冷蔵庫も、みんな大阪人らしい大阪人です。
『おーいペンギンさーん』はどんどん突っ走る展開のおもしろさ、『れいぞうこのなつやすみ』はキャラクターのおもしろさといったところでしょうか。どちらも「もし……だったら」の着想は抜群です。
わたしは学生時代4年間、大阪の吹田市に住んでいました。大学のサークルで大阪人の友だちができてわかったのが、彼らは大阪弁にプライドを持っているということ。東京へ行っても大阪弁を使い通すし、大阪育ちではない人間が大阪弁をまねるのをとても嫌がります。
そのことを知ってから、わたしは、大阪弁っぽいしゃべり方をするのをやめました。自分の作品で安易に大阪弁を使うことも。
★野村一秋先生のインタビュー記事もぜひご一読を!
『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(1/3)
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『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(2/3)
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『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(3/3)
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