春を泳ぐヒカリたち(1/11)

文・高橋友明  

でもだからといって偉いってことはない、尊敬に値するっていう法はない。物やお金が人を偉くするなんて本当にばかげていると思う。
だってそれだったら、持っている物やお金の量とその人の偉さは比例してしまう。たとえニュートンが認めたって、ぼくはこんな方程式、断固認めない。
大事なのはいつだって気持ちとか心がけとかだと、ぼくは思う。

ネクタイというあだ名は、良い意味でも悪い意味でも、満場一致だと思う。というのは、普通にもしくは尊敬の意でネクタイという子の他に、『ネクタイ!』とわざとおおぎょうに、嫌味っぽくいう子がいるからだ。

ただし、本人はそんなこと全く気にしていない。嫌味とわかっていても、堂々として全くひるまない。どんな意味でいわれようと、ネクタイと呼ばれることは、自分がみんなよりも大人であることの証であり、敬称(けいしょう)である、だからそう呼ばれるのはしごく当然なのだ、というふうに。

本名は伊集院 大河(いじゅういん たいが)。
名前からして、いかにも偉そうだとぼくは思う。

高橋友明 について

千葉県柏市在中。日本児童教育専門学校卒業。 朝昼晩に隠れているその時間ならではの雰囲気が好きです。やさしかったりたおやかであったり、ピリッとしていたりする。 同様に春夏秋冬や天気や空模様も好きです。 そうしたものを自分の作品を通して共感してもらえたら幸いです。