月夜のネコかいな(3/4)

文・夏美  

月夜のネコ3トモちゃんはお客が来るまで、お金のかんじょうの手伝いをしながら待っていました。

そのうちどのくらい時間がたったのか、さっぱりわからなくなっていました。長いような、まだ少ししかたっていないような。
そしてついに――
「来た」
お面屋が言いました。空を見上げています。
「えっ、空? どこ?」
お面屋が指差しました。そこには――
「お月さまだよ」
と言ったトモちゃんでしたが、次の瞬間驚いて「ぎゃっ」と声をあげてしまいました。

ずっと空に浮かんでいたお月さまが、突然ゆらゆらとゆれたかと思うと、そのままゆっくりと落ちてきたのです。

夏美 について

大阪出身。童話やミステリーが好きで、少年探偵団や少女探偵ナンシーで育ちました。自分もそんな感じの、子供がワクワクできるようなミステリーやサスペンスを書けたらいいなあと思っています。ようやく落ち着いてパソコンに向えるようになった主婦です。尊敬する人はグラン・マ・モーゼスです。