どうして3日も、森をさまようハメになったのか。
森の中というのは、どこも同じような景色で、方向が分からなくなる。まっすぐ歩いているつもりで、実はどんどん、広場からもコースからも遠ざかっていたのだが、それを知らない男の子には、何が何だかさっぱりだ。
(もらった地図が、まちがってたのかな・・・。あそこを、まっすぐつっきれば、曲がりくねったコースを歩くより、ずっと早く着くはずだったのに・・・)
ずるり
足下がすべった。もう、ふんばる力もない。男の子は、そのまま地面にたおれこんだ。
(あ~あ・・・。このままぼく、死んじゃうのかな・・・)
立ち上がる気力もわいてこない。地面に体をあずけ、しばらくの間、男の子は、心の中でわが身の不運をなげいた。