よく朝、リムニー王妃が、急な病で、亡くなったという知らせが、国中を走りました。
「そんなバカな!侍女やめしつかいたちは、口をそろえて、王妃様が、前の晩まで、とても元気にしていたと、言っているのに!」
人々はおどろき、ひどくあやしみました。
それから、1月も立たないうちに、王が新しい王妃をむかえた時には、
「ディドー王が、きっと、リムニー様を殺してしまったんだ!」
と、あからさまに、悪いうわさが飛び交いました。
でも、ディドーは、ちっとも、気にしませんでした。リンゴのように丸々とした、新しい王妃が、とても気に入っていたからです。
「ああ、おまえは何て暖かいのだ!」
王は、リンゴ王妃のうでをまくらに、毎晩、ぐっすり、幸せに眠ったのでした。