語り終えると、
「それなら、やはり、言っておいた方がいいな」
黒岩さんは、立ち上がり、
「先輩、来てください。さっきの話には、まだ続きがあるんです」
おこたの部屋に向かって叫んだ。
が、しばらく待っても、猿神さんは出てこない。
「アキラくん、先輩は、チャッピーと一緒に寝てしまったのかもしれん」
時刻は、もう、深夜に近い。
「それなら、オレも、今日は帰ります」
「いや、帰らない方がいい。帰り道の闇の中に、正体不明の輩が、潜んでいないとも限らないし、どこかで、見張っていないとも限らない、今夜は、ここにいた方がいい」
「えっ?」
「先輩が、なにに巻き込まれているのかはわからないが、これ以上、アキラくんを巻き添えには出来んからな」
黒岩さんは、きっぱりと言った。