「ワシは、おまえがバカみたいに爆睡している間に、いろいろと考え、調べてもみた」
「はあ」
「白川剛吉先輩を呼び出して、家の周辺をざっと見てもらい、ぜんざいにワシたちを眠らせるような薬物が一服盛られていないかどうかを調べてもらったりもした」
「おつかれさまでした。・・・あの、白川剛吉さんって、警察の鑑識の方ですか?」
「いや、白川先輩は、鑑識ではない。が、化学が大好きで、鑑識や科捜研という職業に強いあこがれを持っている」
「で、白川さんは、どんな結果を?」
「周辺に怪しい気配はないようだ、と。そして、ぜんざいもシロだとさっき電話があった」
「では、なぜ、オレたち、意識を失うハメに?」
おこたを挟み、視線を交す。
「ぜんざい以外に食べたものは・・・」
「ふくふく亭は、除外していいだろう」
あの不味いラーメンはオレしか食べていない。堂々と持ち込みビールを飲んでいた猿神さんは、そこでは、水すら口にしていない。
「そうなると、その前ってことですね?」
オレが言い、
「丹田生代さん宅だ!」
猿神さんが膝を打つ。