1週間がたった、ある寒い日の夜です。
「あけて、チャロ。助けてほしいの」
あなの入り口でカリンがよんでいます。チャロがしぶしぶ戸をあけると、そこにはカリンとクルミが立っていました。
「なんの用だい?」
チャロは、入口のすきまからたずねました。
「カリンのお母さんが病気になって、すごいねつなんだよ。チャロ、ハチミツをとってきてくれないかい?」
なきだしそうなカリンのかわりに、クルミがおねがいします。
「ひどいねつとせきで、ずっと苦しそうなの。もう見ていられないのよ」
カリンの目は、まっ赤にはれていました。
「カリンのお母さんが病気なの? わかったよ、ハチミツをとってくるからなかないで」
チャロは暗い森のおくへ、トコトコ出かけていきました。
(次のページに続く)