つぎの日の朝、山の向こうから、ズシーン、ズシーンとにぶい足音が近づいてきます。
「来たぞ! くまが来た!」
見はりのはとが、さけびながらとんできます。
あらわれたのは、一頭の大きな大きなくまでした。
かまのようなつめを持ち、体は鉄のように黒くツヤツヤに光り、見るからに重くてがんじょうそうです。
「ぼくが話をしよう」
チャロが、大きなくまの前に出ていきました。足はプルプルとふるえています。
みんなじっと見守っています。
大きなくまはチャロを見つけるやいなや、うでをふりかざしながらドシドシと走ってきました。
「あっ、やられる!」
チャロもみんなも、目をつぶりました。