5 そして、地獄へ
地獄へ下りる道で、東からやってきた魔女が、西から帰ってくる魔女に出会いました。
東の魔女の後ろには、死人たちが、ぞろぞろ、ついてきていましたが、西の魔女は、だれも連れていません。
「おや、どうしたんだい? 手ぶらかい?」
東の魔女が聞きました。
「それが、聞いておくれよ」
西の魔女が、ため息まじりに、言いました。
「かれこれ70年前、あたしは、一人の兵隊に、指輪を与えたんだがね」
「ああ。指輪の魔法で、3つの願いをかなえてやったわけだ?」
「それが、とんだめがねちがいでねえ・・・」
「どういうことだい?」
東の魔女にうながされて、西の魔女は語り始めました。