ソラはトータッチジャンプする自分を想像してみました。頭の中のソラは・・・カエルのようなジャンプで、みんなに笑われていました。
「ムリ。絶対ムリッ! ボクにはできない」
「そうかなぁ。パパはソラも『きんちゃんジャンプ』できると思うけどなぁ」
「・・・お兄ちゃんのは・・・スプリットジャンプ。トータッチじゃないよぉ」
ソラはふてくされて答えました。
「そっか。スプリットジャンプっていうのか!」
「きんちゃんジャンプじゃないのね」
パパとママが笑いました。ソラもつられて笑ってしまいました。パパはソラのふくれっつらを指でつつくと、こう言ってやさしくほほえみました。
「ソラが自分で決めなさい。ソラが決めればいいんだよ」
「・・・うん」
ソラはあいまいに答えました。だって、自分で決めればいいと言われても、自分がどうしたいのかさえわからなかったのです。