J.D.サリンジャー 著
『ライ麦畑でつかまえて』
◆あらすじ◆
16歳のコールフィールドは、クリスマス前に成績不振で退学となり、寮を飛び出して、故郷のニューヨークへと向かう。
親や先生といった周りの大人、学校の友だち、ガールフレンドたちにさえ、その一挙一動に欺瞞を感じ、悪態をつかずにはいられない。
信じられるのは、幼くして亡くなった弟のアリーと、まだ小学生の妹フィービーくらいだ。
有り金でホテルに泊まりながら、その日暮らしをしている時、散歩の途中で小さな女の子が『ライ麦畑でつかまえて』を可愛い声で歌っているのを聴き、心を揺さぶられる。
およそ学生らしからぬ毎日を過ごしているうち、真夜中のセントラル・パークで凍えそうになり、死ぬ前に妹に会っておこうという気が起こる。