次に理容室にやってきたのは、ねむたそうな顔をしたふくろうでした。
「ほーほー、こんにちは」
「あら、ふくろうさんこんにちは。・・・どうなされたのですか? ずいぶんとねむそうですが」
ふくろうは「そうなんじゃよ」と大きなあくびをしました。
「わしはふだん、こんな昼間はねむりこんでおるんじゃが、最近ねつきが悪くてのぉ。さんぱつでもしてスカッとすれば、ねむれるかと思って来たんじゃよ」
「かしこまりました。それではイスにおすわりください」
とは言え、さんぱつでねむれるようになれるものかとサワガニは考えます。
イスにこしをかけたふくろうは、こくりこくりとうなづいてねむそうなのですが、すぐに顔を上げて目をさましてしまうようでした。
〈ああ、わたしの店のイスが、ふかふかのクッションだったら良かったのに・・・、うん? ふかふかのクッション・・・そうか! なければ作ってしまえばいいんだ!〉