4 宇宙人ミエンダー、現る
早起きのハツさん。朝の6時には、もう家を出ています。
町を一通り、パトロールしてから、公園に行ってみると、ピピピッと、さわがしい小鳥たちの声。
「きっと、また、あのヘビだわ!」
思った通り、ヘビが、この間とは別の巣をねらって、しねしねと、木を登っているところでした。
「許すものですか!」
カチャッ! バキューン! キィィー!!
するどいタカの声に、ヘビは首をちぢめて、シュルシュルと、逃げて行きました。
「ああ、いい気持ち! リベンジ、成功!」
無敵のステルスおばあちゃん! おかげで、町は、ずいぶん、住みやすくなりました。
目に見えない正義のヒーローを警戒して、ベランダで、ハンガーや干し魚をねらう、いたずらカラスは、めっきり、少なくなったし、町角のダンボールで、ニィニィ、泣いている子ネコも、知らぬ間に、ネコ好きのおまわりさんに届けられました。
ひっくり返って、起きられなくなっているコガネムシには、木の葉が、そっと、さしのべられ、通せんぼしているいじめっ子には、
「こらあ! 何年何組だー!」
と、学校いち、こわい先生の声が。