へやに、にもつをおいて、ちょっとやすんでから、ぼくとパパは、りょかんのおふろに行った。
おふろの中は、うすぐらくて、ゆげでいっぱいで、あんまりよく見えない。
ぼくは、パパにぴったりくっついて、はなれないようにした。
よ~く目をこらすと、右の方に、じゃぐちが三つ、ならんでいる。
じゃぐちのまえには、おふろ用のいすとおけが、これも三つずつ。
パパが、いすにすわったので、ぼくも、となりのいすにすわった。
「シャワー、ないの?」
「ないみたいだな。このじゃぐちから、おゆを出して、おけにためるんだよ」
パパが、おけにためたおゆを、自分の体に、ザブッとかけた。
そうして、そなえつけのせっけんを、タオルでゴシゴシあわだてた。
「さきに、中に入ってるぞ~」
パパは、さっさと体をあらいおわって、おゆにつかりに行ってしまった。