ふしぎなぴりーこぱん(2/7)

文と絵・エンプティ・オーブン

2 ぴりーこぱんと、あそぶとき

ここであんこちゃんはおかしなことに気がついた。
もうすでにおかしなことだらけになっているけれど。
「そういえば、お母さんは?」
いくらお母さんがいそがしくしてるからといって、これだけ大さわぎしてたら気がついて、へやをのぞきにやって来るはず。
あんこちゃんはへやから出て、お母さんをさがしてみた。

お母さんはすぐに見つかった。なんとお母さん、ふとんですやすやねむってた。
さっきまで、家じゅうバタバタ走り回ってたのに。

「お母さん、どうしてねてるの、お母さん!」
あんこちゃんがよんでも、お母さんはぜんぜん目をさまさない。
よく見たら、口べにを口の上にだけぬってある。
おけしょうしてるとちゅうで、ねちゃったみたい。

ぴりーこぱんとあそぶとき しらないよ しらないよ
みんなはねてるし せかいはねてるし きづかない きづかない

気がつくと、ぴりーこぱんがろうかで歌いながら、おどっていた。
「せかいじゅうでおきてるの、ぴりーこぱんと、あんこちゃん」
それを聞いて、あんこちゃんはまどの外をのぞいてみた。そしてぜんりょくでツッコんだ。
「外、どうなっとんのんじゃー!」

エンプティ・オーブン について

1985年埼玉県生まれ。子供のころから本が好きで、自分でも絵本を作ったり、マンガを描いていました。二児の母になってからは、わが子に読み聞かせるための絵本を作ってきました。小学校の読み聞かせボランティアにも参加しています。娘がが小学生になるのを機に、童話を書き始めました。たくさんの人に楽しんでもらえるお話を書きたいです。