6 ゲーム開始
順路の矢印に従ってろう下を行くと、間もなく、3人は巨大水そうの前に立っていました。
「すごい!」
いったい、何種類、どれだけの数の魚がいることやら!
銀色のうろこや黒いうろこがむれになって、ゆうゆうとおよいでいます。
エイやサメがいます。
ウミガメやマンボウもいます。
ガラス近くを、プクプク、浮いたり沈んだりしているひょうきんなフグ。
見上げれば、きらきら光る水面近くに、アジやイワシのむれがけむりのように巻いています。
「わ、アザラシだ! こっちへ来る! 何頭もいるぞ!」
アザラシたちは鼻先であいさつして、また、去っていきました。
「下を見て!」
暗やみから、のっそり、上がってきたのは、クジラと見まがうジンベエザメ!
「わあ!」
「こっちはカツオだ! 速いな!」
「もっと大きいよ。マグロじゃないかな」
おそろいのおしゃれなストライプが、一時も休まず、回り続けています。
「じゃ、あれは?」
水そうの中ほどを、上へ下へと、人がおよいでいます。
「人魚のかっこうをしているね。水族館の人たちかな。おおい!」
新一はガラスを、コツコツ、たたいて、およいでいる人たちに向かって、手をふりましたが、美里はぞっとしました。
「おかしいよ、あの人たち。魚より速くおよいでいる・・・」
「どうしたんや?」
水そうをずっと先までたどってもどって来た大介が聞きましたが、その時には人魚らしいものはいなくなっていました。
「さっき、本物の人魚みたいなものがいたの」
「ああ、それ、きっと、シロイルカや。昔から、よく、人魚にまちがえられたんやて。それより、こっちこっち」
大介について行くと、そこにもテーブルがあって、タブレットが乗っていました。