石が崩れる音がしたように思えた。
ぼくはうつぶせになっていて、ゆっくりと目を開けた。すると目の前に、確かに石がくずれている。
もう少し顔を起こして見ると、そこには子どもたちと鬼がいた。
川辺である。
子ども達は川から石を持ってきてつみ上げる。そして子どもが、これでできたという顔をすると、鬼がやってきて、せっかくつんだ石ころをけとばしてしまう。
そのたび子どもは泣いたが、やがて泣き止むと、また川にいき、石ころを探しにゆく。
どうやらはここは、賽の河原(さいのかわら)であるようだ。だとすれば川は、三途(さんず)の川ということになる。
立ち上がってまわりを見ると、ぼくはギョッとせずにはいられなかった。