第5話 料理人の悩み
タベルノダイスキさんが王宮にやってきて、しばらく経ちました。今、タベルノダイスキさんは悩んでいます。
「・・・うーん。困りましたね」
悩みはもちろん、シュガー姫のことです。料理人として今までずっと働いてきたタベルノダイスキさんですが、料理を残してばかりのシュガー姫の様子に首を傾げるばかりです。
「羊の執事のしつじーさん、あ・・・メェさんが言ってた通りでしたね。ピーマンやニンジン、セロリ・・・他にたくさん、苦手があるみたいです」
タベルノダイスキさんがどんなに工夫しても、料理は手付かずで下がってくることもあります。がっかりしたのはもちろんですが、同時にとても不安でした。
シュガー姫はこんなに召し上がらなくて、体に良いわけがない・・・と。
姫のくたびれたような悲しげな表情も、気になっています。
「しつじーさんにちょっと相談してみましょう!」
タベルノダイスキさんはメェさんの相談役として、かつやくしていました。
(どうしてだろう・・・この国のみんなは、あんまり幸せそうじゃないみたいだ・・・)
パンナコッタ王国には1年中お菓子が取れて、みんなが言います。
「パンナコッタ王国はしあわせだね。ボクも住みたいよ」
だけど本当にしあわせなのでしょうか。笑い声が聞こえないと、タベルノダイスキさんは思うのです。
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