WEB版 Sweet Harmony展(1/3)

文・田村理江   絵・小野寺美樹

プロポーズ

幼馴染のキリ君が、今、もうれつにハマっているのは、お菓子占いらしい。
クッキーをお皿に放り投げて、表か裏かで今日の運勢を決めたり、ソフトクリームの段の数で、ハッピーの度合いを計ったり。
「あっ、そう」
非現実なことに関心を持たないルナは、目の前で夢中で語るキリ君を、あきれながら眺めていた。

「しゃべるのはいいから、食べたら? でなきゃ、あなたのドーナツも、あたし、もらっちゃうよ」
昔から、自分より女子力が高く、少し子どもっぽいキリ君だけど、ルナは大人になってからも、暇があれば、キリ君の誘いにのって、休日を過ごしている。
キリ君といると、なんとなくリラックスできるんだ。

「ドーナツくらい、あげるよ」
と、キリ君。
「でも、その代わり、お菓子占いに一回、付き合ってくれよ」
「しょーがないなぁ。時間たつと、味が落ちるよ」
大人の会話じゃないな、とルナは心の中で苦笑いしながらも、キリ君の願いをかなえることにした。

田村理江 について

(たむら りえ)東京都生まれ 成蹊大学文学部日本文学科卒業。日本児童文学者協会第15期文学学校を終了。 第6回福島正実記念SF童話賞を受賞して、『ガールフレンドは宇宙魔女』(岩崎書店)を出版。 児童書の作品に『リトル・ダンサー』(国土社)、『夜の学校』(文研出版)、『魔の森はすぐそこに・・・』(偕成社)など。絵本の作品に『ふなのりたんていラッタさん』(フレーベル館)、『ハンカチのぼうけん』(すずき出版)など。 HP:田村理江のページ

小野寺美樹 について

(おのでら みき)1995年千葉県生まれ。学習院大学経済学部経済学科を2017年の春卒業して、出版社勤務予定。2012年春から毎年、『BOOK展』(ギャラリーウシン)に絵画作品やポストカードを出品。