それを見つけ出したのは、宝探しごっこが大好きな、この国の幼い王女様。
「こーんなところで、お宝、発見!」
箱を、女王様のもとへ、勇んで運びました。
女王様は、王女様のやわらかな髪をなでながら、言いました。
「これは、おそらく苺でしょうね」
「あら、果物はみんな、茶色なのに、変だわ」
「昔・・・ひいひいおじい様の時代は、苺と言えば、このような姿だったと、絵を見せていただいたことがありますよ」
「苺なら、これ、食べられるってことでしょう?」
怖い物知らずの王女様、いきなり箱を開けると、かわいいおくちで、パクッ。
「うーん、すっぱい」
まゆを少し寄せ、それから、
「でも、最高に美味しい!」
と、にっこり。
このことがあってから、スィート王国では、果物のチョコ・コーティングがすたれ始めたんですって。
役目が減ったエンジェルたちは、みんなの願い事を叶える仕事に専念して、スィート王国はますます豊かになったそうですよ。
(おわり)