いすから去った王子(2/7)

文・伊藤由美   絵・伊藤耀

美しい王女

昔、あるところに、とても美しい王女がいました。
たくさんの若者たちが、王女に恋をして、結婚を申し込みました。
でも、王女は、決まって、こう、言いました。

「私の窓の下にいすをおき、100日間、すわり続けた方の妻になりましょう」
若者たちは、次から次と、挑戦しました。王女の部屋がある塔の下にいすをおき、昼も、夜も、すわり続けたのです。


だれでも、最初の10日ぐらいはがんばれます。
でも、20日、30日とたつうちに、あまりのつらさに、たえきれなくなり、あきらめてしまうのがふつうでした。

伊藤由美 について

宮城県石巻市生まれ。福井県福井市在住。 『指輪物語』大好きのトールキアン。その上にトレッキー(「スター・トレック」ファン)でシャーロキアン(「シャーロック・ホームズ」ファン)と、世界3大オタクをカバーしている。

伊藤耀 について

(いとう ひかる)1992年福井県福井市生まれ。仁愛大学人間学部心理学科卒。いつもはウサギばかり描いているが、ときどき、母親の童話に挿絵を描いている。福井市在住。創作工房伽藍で勉強中。