いすから去った王子(6/7)

文・伊藤由美   絵・伊藤耀

100日目の太陽

プッププー!
「本日、97日目!」
その日は、お城の入り口から、王子のすわっているいすの前まで、赤いじゅうたんがしかれました。

100日目の日暮れには、王様に手をとられた王女が、しずしずと、このじゅんたんをふんで、ワタリガラスの王子をむかえに行くてはずなのです。
そして、王様は、自分の手から、王女の白い手を、ワタリガラスの王子へと、うやうやしく、わたすでしょう。
それは、どんなに晴れがましいしゅん間でしょう!
きっと、ワタリガラスの王子は、うれしさに顔を赤らめて、いとしい王女の手をとり、足取りも軽く、お城へと、わたって行くことでしょう。
その後にもよおされる結婚式は、どれほど、はなやかなことか!

伊藤由美 について

宮城県石巻市生まれ。福井県福井市在住。 『指輪物語』大好きのトールキアン。その上にトレッキー(「スター・トレック」ファン)でシャーロキアン(「シャーロック・ホームズ」ファン)と、世界3大オタクをカバーしている。

伊藤耀 について

(いとう ひかる)1992年福井県福井市生まれ。仁愛大学人間学部心理学科卒。いつもはウサギばかり描いているが、ときどき、母親の童話に挿絵を描いている。福井市在住。創作工房伽藍で勉強中。