ステルスおばあちゃん(5/8)

文・伊藤由美   絵・伊藤耀

5 ミエンダー氏、映画を見る

「ほほう、すると、あなたは、遠いキエール星から、はるばる、地球を観察しに、やって来たってわけですな」
コスモ博士はミエンダー氏の話に大興奮!
「これはすぐにでも世界中の科学者に知らせなくちゃ!」
「だめですよ!」
ハツさんがさけびました。

「どうしてですか、お母さん?」
「どうしてもです。ミエンダーさんは、私のお友だちなんだから。勝手に、世界中に知らせるなんて、許しませんよ。第一、そんなことをしたら、ミエンダーさんが、マシュマロどろぼうで、警察につかまってしまうじゃない!」
「気になっていたんですが、どろぼうって、なんですか? ハツさんが、たびたび、ぼくを、そう呼ぶんですが・・・」
ミエンダー氏が口をはさみました。

「おお、それです」
コスモ博士は、これ幸いと、話題を変えました。
「あなたは、どうして、マシュマロばかり、ねらったんですか? 地球には、ほかに、もっと価値のあるものが、いっぱい、あるでしょうに」
「もっと価値のあるもの?」
「ええ。水とか、金とか、レアメタルとか・・・」
「私たち、キエール人は、何でも、自分たちで、作り出すことができるので、地球にあるもので、私たちが必要なものは、何もないんです。ただ、マシュマロだけは、こんなうまいもの、食べたことがない! まったく、すばらしいおいしさです!」

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伊藤由美 について

宮城県石巻市生まれ。福井県福井市在住。 『指輪物語』大好きのトールキアン。その上にトレッキー(「スター・トレック」ファン)でシャーロキアン(「シャーロック・ホームズ」ファン)と、世界3大オタクをカバーしている。

伊藤耀 について

(いとう ひかる)1992年福井県福井市生まれ。仁愛大学人間学部心理学科卒。いつもはウサギばかり描いているが、ときどき、母親の童話に挿絵を描いている。福井市在住。創作工房伽藍で勉強中。