ほんとに、古い。木のはしらが、黒ずんでいる。かわらの屋根がおもそうだ。風がふくたび、ギギ~ッて、ななめになってる気がする。
「こんなに古いんじゃ、おばけの一ぴきや二ひき、ほんとに出るんじゃない?ぼく、こわいよ。とまらなくていいから、かえろうよ」
パパに言ったけど、
「だいじょうぶだって。いいか、おばけってのはな。ほとんどは、見まちがいなんだ。
こわい、こわいと思ってると、おばけを見たような気になるものなのさ。さ、入るぞ」
パパは平気で、りょかんのげんかんの引き戸をあけた。
文と絵・ひなたのんき
ほんとに、古い。木のはしらが、黒ずんでいる。かわらの屋根がおもそうだ。風がふくたび、ギギ~ッて、ななめになってる気がする。
「こんなに古いんじゃ、おばけの一ぴきや二ひき、ほんとに出るんじゃない?ぼく、こわいよ。とまらなくていいから、かえろうよ」
パパに言ったけど、
「だいじょうぶだって。いいか、おばけってのはな。ほとんどは、見まちがいなんだ。
こわい、こわいと思ってると、おばけを見たような気になるものなのさ。さ、入るぞ」
パパは平気で、りょかんのげんかんの引き戸をあけた。