いえいえ、おばけじゃありません(1/4) 文と絵・ひなたのんき ほんとに、古い。木のはしらが、黒ずんでいる。かわらの屋根がおもそうだ。風がふくたび、ギギ~ッて、ななめになってる気がする。 「こんなに古いんじゃ、おばけの一ぴきや二ひき、ほんとに出るんじゃない?ぼく、こわいよ。とまらなくていいから、かえろうよ」 パパに言ったけど、 「だいじょうぶだって。いいか、おばけってのはな。ほとんどは、見まちがいなんだ。 こわい、こわいと思ってると、おばけを見たような気になるものなのさ。さ、入るぞ」 パパは平気で、りょかんのげんかんの引き戸をあけた。 2 / 2«12